3月例会報告「パネルシアターは生身のコミュニケーションツール」

2005.3.19 松本市なんなん広場 参加者12人

 連続講座・第3回目はパネルシアター。
 パネルシアターとは、ネルを貼った背景に、不織布(Pペーパー)を切り抜き、マジックで縁取りをし、ポスターカラーで色を塗った絵を貼り付けて演じるもの。古宇田亮順先生によって「パネルシアター」と命名されたそうです。
 少し斜めに傾けたネルの背景に、磁石ものりもないのにくっつきます。裏返してもくっつくので、それを利用して、後ろ姿を描いたり、動きを出したりできます。いくつかの部品に分けて、糸で一点を止め、動きを出すことも出来ます。ふたつ貼り合わせて切り込みを入れ、ポケットにしてそこからいろいろなものを出したりも出来ます。いろいろ細工をして、重くてくっつかなくなったら裏に背景と同じネルを貼ると落下しません。野外で使いたい場合は乾くと耐水性になるアクリル絵の具で塗り、ニスを塗り重ねるといいそうです。 作り方1作り方2




 講師の伊藤理恵子さんによる「パネルシアターの歌」で始まった実演は、
 バナナが飛び込む船長さんの口が、開くように糸を使って工夫された「バナナの歌」
 逆さ言葉(こぶた→たぶこ)のアレンジも入った「こぶたぬきつねこ」
 手あそびつき(一部苦戦!)の「あんたがたどこさ」
 歌につれて五段飾りのおひな様が完成する「うれしいひなまつり」
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 卒業シーズン向けの「ありがとう・さようなら」
 ラベルの説明や、本の整頓などを呼びかける図書館オリエンテーション用のプログラム
 「だあれ、だあれ ○○のは」と問いかけてお話の登場人物(桃太郎やかぐや姫)を当てるクイズ(答えると、主人公が桃や竹から登場する…著作権に注意!)
 絵札を8つ並べて、参加者が選んだカードを当てる手品(何でわかるの?)
 『折り紙ワンダーランド』から、花の種をまくと花が咲くマジック
 背景にかぶせられる、白いレースの雪のカーテンが効果的な「北風小僧の寒太郎」
 
 ここからは背景を黒くして、部屋を暗くし、ブラックライトで照らす、きらびやかな蛍光塗料を使った作品です。
 まずは夜を彩る星の歌
 夜道に光る目の持ち主(カエル、ネコ、フクロウ、お化け!、自転車)を、鳴き声(音)で当てるクイズ(最初は目だけ、ひっくり返すと正体が)
 蛍光塗料と蓄光シールを使い分けてふたつの絵柄を浮かび上がらせる花火の歌
 闇夜に浮かび上がる骸骨をはじめとして、絵の表裏を交互に見せてアニメーション効果を出すショー
 星図を描いた上に透けるチュールを重ね、そこに星を貼り付けて、間に黒い紙を挟んで、最初は星だけを、次に黒い紙を抜いて、星と星図を重ねて見せる星座の紹介
 つづいて「この広い野原いっぱい」
 毎年夏にやるという、美空ひばりが広島平和音楽祭で歌った「一本の鉛筆」でしみじみと幕を閉じました。




Q&A
Q ほとんどが歌いながらの実演でしたが、お話はやらないのですか?
A パネルシアターはどうしてもインパクトで本に勝ってしまう。やはり本には本で出会って欲しいという気持ちがある。パネルに出来てお話には出来ないものというように、自分の中で分かれてきたので、それぞれ使い分けるようにしている。
Q 体育館のような広いところでも出来ますか?
A 絵の縁取りを太く、しっかりすれば大丈夫。
Q ブラックライトは相当暗くしないとだめでしょうか
A かなり暗くないとよく見えない。ブラックライトは紫外線なので、小さなお子さんがいるときにはとくに、長時間にならないように気をつけて。

その後、お話しする中で、テープを使うところもあるけれど、なるべく生の声を使って、演じるというよりも、観客とやりとりしながらすすめていくことが魅力なのではないかという声がありました。隙がなく、テレビのように観客が眺めてしまうものよりも、生身の人間同士のコミュニケーションの手段としてとても優れていると感じました。
 当日、伊藤さんは体調が悪く、声が出にくいところ、無理をおして「生の声で」実演をして頂きました。

(文責 AT)
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2月例会報告 ブックトーク

2005.2.26松本市なんなん広場 参加者13人

 連続講座・第2回目は、おなじみのブックトークです。

 柳町中学校のTさんは、今回が初めてのブックトークですが、とてもそうとは思われない、堂々とした実演でした。新入生オリエンテーションのためとのことで、新入生になったつもりで聞きました。選ばれている本がどれも生徒に喜ばれそうな楽しい本で、たくさん本があったにも関わらず、アっという間に時間が過ぎてしまいました。
 テーマは「中学校生活」。柳町中学校には、3つの大事なことがあり、その一つは、「お掃除」二つ目が「食事=給食」(給食のことを、食事と呼ぶそうです)。3つ目が「歌」です。それらを絡めながら、新しい学校生活を過ごす時に、図書館で、本とのよい出会いをして欲しいという願いのこもったブックトークでした。とても落ち着いていて、声の調子が聞きやすかったという感想でした。

 次は、下諏訪向陽高校のCさんです。3年生を対象にした「お金の話」というブックトークです。身近なお金の話題を取り上げ、これからひとり立ちしていく生徒たちに、お金に対して、興味や関心を抱かせてくれるブックトークでした。数字が出てくる場面では、マジックで数字が書かれた横長の紙を広げて見せてくれ、工夫が光っています。若い方なのでライブ感覚で聞けたという感想もありました。また、本選びが、新鮮で好感の持てる本ばかりで、皆さん感心していました。
 お二人のブックトークで、参加者から、いくつか意見が出されました。
 絵本や絵のある本は、絵を見ている人に見えるように工夫して欲しい、中学校ならもっと破天荒な本を入れてみては、本を持った時、動かない方が見ている人が落ち着くので、ゆっくり動かすか止めておくかした方がいい、付箋は白いものを下に付けると気にならない、紹介に書かれている言葉を何回も使わず流すところは流してみては、などです。

 最後は、年間計画でいくつかのクラスにブックトークをされている、軽井沢高校のAさんです。一つ目は、今日のためのもので、テーマは、「祭り」。もう一つは、ショートバージョンで、朝のショートホームルームで行った、「おいしい本いっただっきまーす!」です。
 寒くて、家に引きこもりがちな季節ならでは、祭りというテーマで元気を出そうというコンセプトで、宮沢賢治のイメージソングや、効果音などを使って、大変楽しいブックトークをして頂きました。また、おいしい本では、生徒向きの言葉遣いや雰囲気で、漫談を聞いているかのようなスピード感のあるお話でした。なおかつ、選ばれた本が、なぜ今回選ばれたかが的確にわかるようなストーリーがあってその本を、読んでみたいという気にさせてくれました。
 Aさんの考えるブックトークとは、図書館員の専門性を総合的に発揮し能力を問われるもの、だそうです。司書研究会などでいろいろな方のやり方を見て、自分なりに研究されました。軽井沢高校では、朝読書をきっかけに、1年間先生方に働きかけ、職員会議でプレゼンテーションを行うという地道な活動から、全校生徒に、SHRでブックトークをされるようになりました。来年も継続予定とのことです。さて、朝倉さんのブックトークの発表までの流れは、

1.テーマ設定、季節・行事・時事などを参考になるべく漠然としたテーマを決め、
2.イメージリストを作ります。テーマから連想できるものをひたすら書き連ね、これを元に、
3.本棚を回りながら、先入観を捨てて本を集めます。
4.台本作りでは、発表の流れを考えるとき、単なる本の紹介にならないよう、きちんとつなぎ合わせて物語化します。そして、
5.音源集め。テーマや時間によっては小道具・衣装・映像なども効果的。今回は、本の中に作り方が載っていた、松本の紙雛を作成してきて下さいました。
6.リハーサルや
7.資料作成はしないことが多く、後で、記録としては残しているそうです。そして、
8.実演、ノリが悪くてもへこまないで、何か1冊ひっかかってくれればいいや、というぐらいの気持ちで臨むそうです。でも、興味を持つ生徒の顔はすかさずチェックするとのこと、さすが、の一言です。

AさんのブックトークはAさん自身の体験や感性が、本に奥行きを与えていました。Cさんはテーマがお金の話ということで、ものの考え方や、提示の仕方が、文学的なものとは違っていました。Tさんは、魅力的な本をそのイメージどおりに伝え、楽しい雰囲気を出していました。




ブックリスト

「中学校生活」
『しばわんこ和のこころ』(白泉社)
『いのちの食べかた』(理論社)
『歌おう-ひとりで歌う・みんなで歌う』(ポプラ社)
『ビート・キッズ』(講談社)
『勉強なんてカンタンだ!』(PHP)
『ひとりぼっち』(岩崎書店)
『ぼくの夢は学校へ行くこと』(佼成出版社)

「お金の話」
『身のまわりの「モノの維持費」がわかる本』(かんき出版)
『節約生活のススメ』(飛鳥新社)
『いきなり!黄金伝説。超節約レシピ70』(テレビ朝日)
『ヤミ金融』(岩波ブックレット)
『青木雄二のジュニアのためのゼニ学講座2』(汐文社)
『お金とじょうずにつきあう本』(晶文社)
『世界を変えるお金の使い方』(ダイヤモンド社)

「祭り」
『縁日お散歩図鑑』
『宮沢賢治の「夜」フォト・ミュゼ』
『ダヤンのお祭りの本』
『写真記録信州に生きる・下巻』
『白蛇島』
『御柱祭ガイドブック』
『七夕の紙衣と人形』
『よくわかる世界の宗教』
『ヨーロッパの祭りたち』
『文化祭企画・アイディア事典』
『クリスマスの文化史』
『花火大会に行こう;とんぼの本』

「おいしい本いただっきまーす!」
『ぐりとぐら』
『バムとケロのにちようび』
『学食巡礼』
『全日本食の方言地図』
『ごはんの法則』
『食わずに死ねるか!』
『まんがコンビニクッキング』

(文責 Y)

*3/17「祭り」のリストを追加しました。