現場のお仕事

 わが勤務校では、体育館の新設工事を行なっています。見たこともない掘削機や大きなクレーンや建築関係の方々が働いています。というわけで思いついたのが「現場系」。一口に括ってみましたが、思った以上に面白い本が出てきました。次年度以降の「働く現場」の書棚充実にご活用ください。
 土木・科学・林業系はフィクション・ノンフィクションが混在しています。ご注意ください。

今回の3冊はこれだ。
『モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた!』 モリナガ ヨウ著 アスペクト 2010 \1,500
『シブすぎ技術に男泣き!』①② 見ル野栄司著 中経出版/2010/\1000
『神去なあなあ日常』三浦しをん著 徳間書店/2009.5/\1500

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土木・建築系
★『モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた!』 モリナガ ヨウ著 アスペクト 2010 \1,500 分類 510
全国21か所の土木工事の現場を見学したイラストルポ。毎回いつまで工事をやっているのかと思っていた新宿駅南口は16年もかかる工事をやっているとか、びっくりすることや笑えること満載。

『ジャンクション』 大山 顕著 メディアファクトリー 514 2007.12 1600
 土木とパズルの結晶「ジャンクション」の写真集。素人は頭ぐるぐるです。

『首都高山手トンネル』 西沢 丞著 求竜堂 514 2007.1 2500
 関係者以外は入れない、完成してしまえば見ることのできないトンネル工事の進行状況を、写真に取りました。整然と並ぶ鉄筋など、建築力学の美しさに惹かれます。

『前田建設ファンタジー営業部』 前田建設工業株式会社著 幻冬舎 510 1300
1は「マジンガーZ地下格納庫一式」、NEOは「銀河鉄道999発着の高架橋レーン」を実際に作る時の、予算や設計図を掲載。本気で受注お待ちしております。
現在http://www.maeda.co.jp/fantasy/index.html にて、Project03 、PS2「グランツーリスモ4」サーキット検討。Project04 「世界初!ロボット救助隊を創ろう」(組織実現概略検討)。Project05「機動戦士ガンダム 地球連邦軍基地・ジャブロー」を設計中です。

『カイシャデイズ』 山本 幸久 文芸春秋 2008 \1,381
 飲食店などの内装を行う会社が舞台の連作短編。熱血な営業チーフ、何とかしてくれる施工監理部、高いものを自腹で買ってしまうヒラメキ型デザイナー。こんな会社で働くのは楽しそうです。

『くうねるところすむところ』文春文庫 平安寿子 / 文藝春秋 2008/05 ¥579 (税込)
仕事にも愛にも行き詰った編集者が工務店に飛び込み就職。家作りの現場を描く。

『フリ-タ-、家を買う。』有川浩 / 幻冬舎 2009/08 ¥1,470 (税込)

『手すり大全』 日経アーキテクチュア編 日経BP社 524 2008.1 3400
 すごいなー、手すりに対する愛情を感じます。

アーチの力学 板倉 聖宣著 仮説社 501 2004.8 2000

セメント樽の中の手紙 葉山 嘉樹著 角川書店 913.6 2008.9 362

宮大工千年の知恵 松浦 昭次著 祥伝社 521 2000.8 1600


科学・理科系
★『シブすぎ技術に男泣き!』①② 見ル野栄司著 中経出版/2010/\1000
 工業高校の教諭も泣いた、ものづくりの現場のエッセイコミック。この人たちが日本の技術を支えているのですね。シブいところを攻めてくれます。

・『小惑星探査機はやぶさの大冒険』 山根一眞著 マガジンハウス2010 1,300円
打ち上げ前からの取材をまとめたもの。誰も作ったことのないものを、一から作るという現場はときめく。「はやぶさ」プロジェクトマネージャー川口惇一郎教授の『はやぶさ、そうまでして君は(宝島社2010 1,200円)』よりも語り口はドライだが、大気圏再突入のシーンはやっぱり泣く。理系人間の本当は熱い胸の内も覗けるかも。

『NASAより宇宙に近い町工場』 植松 努著 ディスカヴァー・トゥエンティワン 538 2009.11 1300

『下町ロケット』 池井戸潤 / 小学館 2010/11 ¥1,785 (税込)
佃航平は宇宙工学研究の道を諦め実家のエンジン部品を作る町工場を継いでいた。水素エンジンの研究開発の経費や、取引先大企業から取引停止、ライバル大手からの訴訟など経営はまさに崖っぷち。しかし世界最先端の技術で特許出願をしていたことから、ロケット開発を行うことに。
小さな町工場が最先端技術の特許を巡って、泣く子も黙る大企業と大立ち回り。池井戸潤は『鉄の骨』『空とぶタイヤ』など、建設系の仕事小説も多い。

「日本のすごいモノづくり」 中村智彦/監修 学研 2010年 1470円
 日用品から家電、乗り物など、製造&製品のしくみをカラーで解説。

ロボコン 小学館文庫 大崎知仁著 / 小学館 2008/09 ¥559 (税込)
映画「ロボコン」のノベライズ。女子高専生が協調性皆無の男子3人と高専ロボコンを目指す。

青春ロボコン ― 「理数系の甲子園」を映画にする 岩波ジュニア新書 古厩智之 / 岩波書店 2004/01 ¥777 (税込)

『ねじとねじ回し』 ヴィトルト リプチンスキ著 早川書房 2003.7 1500
 人類の技術の向上に欠かせなかった「ねじ」。日本人の技術力はこの小さなねじにあらわれているはず。昔マンガで「ねじひとつから、それを使う兵器がわかる」というセリフを見て、びっくりしたことがあった。

『道具にヒミツあり』 小関 智弘著 岩波書店 502 2007.12 780

『道具の使い方コツのコツ』 ものづくり・道具愛好会著 リブリオ出版 2005.4 14,700円
 
林業・農業系
・『ボクは炭焼き職人になった』←2もあり 原伸介著 新風舎2004 1,500円
ふるさとの山が消えるのに心をいため、「大きくなったら仙人になりたい!」と願った小学生が、長野県の山で山仕事をする職人になった。講演会もすばらしいです。学校に来てくれますよ(宣伝)。

「生き方は山が教えてくれました」 原伸介/著 かんき出版 2009年 1365円
 横浜で育ち、信州大学を出た男が、一年間の炭焼き修行の後、23歳で独立。26歳で炭師として生計が立つようになる。

・『百姓貴族』荒川弘著 新書館ウィングスコミックス2009 714円
タフでパワフルなお百姓さんの仕事っぷり、合わせて農業高校の実態もわかる。すてき。

★『神去なあなあ日常』三浦しをん著 徳間書店/2009.5/\1500/913.6
 山が荒れれば、水も海も植物も動物も困ったことになるのです。こういう本が本屋大賞にノミネートされないかなぁ。

鯨を捕る 市原 基写真 文 偕成社 664 2006.7 1800


ノンフィクション――――――――――――――――――――――――――

・『君は一流の刑事(デカ)になれ』 久保正行著 東京法令出版2010 1,800円
表紙の捜査一課バッジに惹きつけられます。元警視庁捜査第一課長が語る実体験と、次世代へ伝えたい心構えの数々。ですます調で書かれているのが妙にリアル。


・『マエストロ、それはムリですよ…~飯森範親と山形交響楽団の挑戦~』ヤマハミュージックメディア2009 1,600円
高いクオリティをもちながら、地味でマイナーで自信がない山響を第一線に引っ張り上げた指揮者と、「それはムリですよ…」と言いながら一緒に走り続けた楽団の変化の日々。いろんな意味でドキドキ(まだ全部読んでないけど)。

・『救う男たち 東京消防庁の精鋭ハイパーレスキュー』←2もあり 亀山早苗著 WAVE出版2008 1,700円
新潟県中越地震のとき、土砂に埋もれた車の中から幼い男の子を助け出した、オレンジ色の男たち。彼らこそ救急隊員の精鋭ハイパーレスキュー隊員。といっても、手当は普通の隊員と5,000円くらいしか違わないとか。インタビュー集です。

・『ダイヤに輝く鉄おとめ』矢野直美著 JTBパブリッシング2010 1,580円
のっけから新幹線の女性運転士登場。男の職場と思われがちな鉄道には、けっこう女性が働いています。「女だから鉄の世界はムリかな……」とあきらめず、チャレンジしてみて!

・『ご指名! 古都のバスガイド』木島亜里沙著 メディアファクトリー2008 952円
テニスの特待生として高校時代を過ごしながら、「仕送りをしたいから」という理由で社員寮のあるバス会社に入社した木島さん。地の利の全くない奈良で、日本史から暗記しなければいけないというハードな仕事が待っていた! 一人称で語られる仕事レポート。個人的に「実録!働くお姉さんシリーズ」と勝手に名付けていたけれど、本当は「お仕事美人シリーズ」というらしい。『クレーンガール』など、この本以外もおすすめ。

・『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!』小林朋道著 築地書館2008 1,600円
大学の先生がとても楽しそうに仕事をしています。すてき。

・『スポーツを仕事にする!』生島淳著 ちくまプリマー新書 筑摩書房2010 720円
スポーツライターが取材したスポーツに関する仕事の現場。プロ選手にはなれないけどスポーツの周辺で仕事をしたい人に。

・『作家の家』 平凡社2010 1,600円
まさに現場。こんな優雅な場所で文学が生まれているとは。

『しごとば』 1/2 鈴木のりたけ/作 ブロンズ新社 2010年 1785円
 仕事の現場の絵本、2冊。作者が実際にその場所にいって書いたもの。 細かくて、すごい。いきいきと描かれたしごとば。こういうものを描く仕事もあります。

『世界夢ケーキ宣言! 幸せは家族だんらん』 清水慎一著 文屋 1,470円 2010年8月
 伊那のケーキ屋さん、すごいことをやってます。

『カフェを100年、続けるために』 田口護 旭屋出版 2010.12 1,365円
 自分の趣味でカフェを開くのも良いですが、仕事として確立させるには何が必要かをわかりやすく説いています。司書も含めサービス業に携わるすべての人間に求められることですね。

「自分の技で生きる!職人になるガイド」 山中伊知郎/著 新講社 2010年 1365円
 会社員だけが人生じゃない。自力で稼ぐ職人にはどうしたらなれるのか。収入面も含め、
さまざまな職人の仕事を紹介。椅子修理職人、印鑑職人、カバン職員など・・


・『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』北尾トロ 文春文庫2006 629円

・『ぼくは13歳 職業、兵士。』鬼丸昌也+小川真吾著 合同出版 2005 1,300円


フィクション――――――――――――――――――――――――――
●かっこいい公務員モノ
・『プリンセス・トヨトミ』万城目学著 文藝春秋2009 1,571円
会計検査院調査官(国家公務員)の仕事ぶりがわかる。
・『トッカン』高殿円著 早川書房2010 1,600円
東京国税局税務署(地方公務員)の特別国税徴収官の仕事ぶりがわかる。差し押さえは生きている犬までも。
・『ロード&ゴー』日明恩著 双葉社2009 1,600円
救急車が爆弾男にジャックされた! 消防隊員の仕事ぶりがわかる。
・『クジラの彼』有川浩著 角川書店2007 1,400円
自衛隊員の仕事ぶりがわかる(ほんとかよ)。潜水艦乗務員はものすごい臭いがするというが……嗅いでみたいようなみたくないような。

●かっこいい職人モノ
・『仏果を得ず』三浦しをん著 双葉社2007 1,500円
文楽の太夫と三味線の仕事ぶりがわかる。三浦しをんのお仕事小説は、オヤジのかっこよさがポイント。この小説にもかっこいいじいちゃんが出てきます。

・『ショコラティエの勲章』上田早夕里著 東京創元社ミステリフロンティア2008 1,500円
「私の仕事は、ひとりでも多くの方に、チョコレートのおいしさを知ってもらうことです」 チョコレート専門のお菓子職人、ショコラティエの仕事ぶりがわかる。ただし主人公は和菓子屋の店員なので、混乱しないように。甘い物大好きな人へ。そうでない人は胸焼け必至。

・『シュガー&スパイス』野中柊著 角川書店2009 1,600円
洋菓子職人パティシエの仕事ぶりがわかる。お菓子作りもレンアイも大変だ。甘い物(以下同文)。同じくパティシエが主人公の雫井脩介著『つばさものがたり(小学館20101,500円)』は、自分のお店を持ちたい人に。

・『和菓子のアン』坂木司著 光文社2010 1,890円
高校を卒業したけれど就職が決まらずニートを決め込んでいた主人公。これではいけない!と一念発起してデパ地下の和菓子店で働くことに。和菓子店店員の仕事ぶりがわかる。和菓子職人の仕事ぶりはちょっとわからないかも。甘い物(以下同文)。
ほか『シンデレラ・ティース』(歯科)『ワーキング・ホリデー』(宅配便)『ホテルジューシー』(ホテル)『切れない糸』(クリーニング店)

・『背表紙は歌う』大崎梢著 東京創元社創元クライムクラブ2010 1,400円
 書店員ものは増えてきているような。同じ著者の『配達あかずきん(東京創元社ミステリフロンティア2006 1,575円)』、梅田みか著『書店員の恋(マガジンハウス2008 1,400円)』など。憧れる人は多いと思うが、『書店員の~』の主人公は転職してしまう(ネタバレ)……。古書店ものも増えてきているかも。篠田真由美著『緑金書房午睡譚(講談社2010 1,680円』は古書店主に必要な資格にも触れられている。

●かっこいい特殊な職業モノ
・『セレモニー黒真珠』宮木あや子著 メディアファクトリー2009 1,200円
 葬儀社の仕事ぶりがわかる。幼い頃見た葬儀屋の仕事に憧れて入社した木崎、元ブライダルプランナー笹島、謎の派遣社員妹尾。3人が織りなす人間模様。がんばれ木崎。

・『事件現場清掃人が行く』高江洲敦著 飛鳥新社 2010 1,429円
少なくとも60万円は用意しておきましょう。吉田太一著『遺品整理屋は見た!(扶桑社20081,200円)』では伏せられていた現場写真も載っていて、デリケートな人にはおすすめしにくい本。最近、類似業者がテレビによく出るが、この本を読んでからは「こいつら、トーシロだな……」と見分けがつくようになった。

フィクション(SF)――――――――――――――――――――――――――
・『妙なる技の乙女たち』小川一水著 ポプラ社2008 1,400円
宇宙エレベーターが実用化された近未来、そのお膝元である赤道直下でお仕事をする女子たちを描いたSF短編集。保育士、水上タクシー運転手、キャビンアテンダントなど。彼女たちの心意気やよし。

・『図書館戦争』有川浩著 メディアワークス2006 1,600円
「これで図書館司書さんの仕事の大変さがわかった」というコメントをよく見かける……。未来に限らず、公共の図書館司書の仕事ぶりがわかる。酔っぱらい対策とか、大変そう。

□参考
■面白い!お仕事小説
http://www.asahi-net.or.jp/~wf3r-sg/lt2businessstory.htm
■アライユキコの「仕事が楽しくなる小説」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090520/154144/


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