2006年11月例会報告『図書館のプロが教える<調べるコツ>』

2006年11月の例会報告『図書館のプロが教える<調べるコツ>』の読書会&情報交換会
2006年11月25日(土)松本市なんなん広場 参加者:7名

『図書館のプロが教える<調べるコツ>―誰でも使えるレファレンス・サービス事例集』
浅野高史+かながわレファレンス探検隊 柏書房 2006.09 
http://www.kashiwashobo.co.jp/cgi-bin/bookisbn.cgi?cmd=d&isbn=4-7601-2990-1

 基本的には一般向けの本ですが、図書館員が読んでも十分に勉強になるレファレンス・サービス事例集です。私自身も日々のレファレンス・サービスを振り返りながら、反省したり参考にしたりすることがたくさんありました。
 巻末には、「調査の流れと組み立て方」と題して、レファレンスの極意を簡単にまとめてあります。とりわけ、「調査の展開」として挙げられている、「絞る」「広げる」「射抜く」「たどる」などの方法は参考になりました。実際、本編の事例集にもそれが具体的に展開されていて説得力があります。
 個人的には、キーワードをどう選んでいくのかに興味を持ちました。やはり、質問を受けてからまず考えるのは、どんなキーワードで(何に焦点を当てて)調べていくかです。そして、拾い出した資料が漠然としていれば、もっと狭い意味内容のキーワードに変える(絞る)、資料数が足らなかったり少しずれているようなら、もっと広い意味内容のキーワードに変える(広げる)、あるいは同じ意味合いの別の表現で探す。調べて出てきた資料を見ながら、その文章の中に次に調べることの手がかりを見つける(たどる)。たとえば最後の例では、「外国人名の現地読みを始めたのはいつからか」という質問を調べている中で、NHKを訴えた裁判のことが出てきて、そこから調べる方向を放送関係にも広げる事例が紹介されています。こういう発想の転換は、レファレンスの醍醐味だなと感心してしまいました。
 ともあれ、本の内容をめぐって、あるいは遠く離れて、交わされた会話の一部を以下に紹介します。

・平凡社の『世界大百科』の改訂版が出たよね(2006年)。
・でも、高いよね。買えないよね…。
・この本で紹介されている事例もそうだけど、ちょっと突っ込んで調べようとすると、学校図書館では持っていない本になって、そこで行きづまっちゃう。
・普通の分野のレファレンスでも、郷土資料を調べると出てきたりする。でも、ついつい郷土資料を見るのを落としてしまう。
・郷土資料って、どこまでを別置したらいいんだろう。
・学校やその地域に関するものくらいまでで、それ以外は長野県のものでも一般の書架にあったほうが使い勝手がいいかもしれない。
・『理科年表』や『国勢図会』って、いざ調べようとするとちょっと戸惑う。普段から使い方を勉強しておく必要がある。
・『国歌大観』も結局端から見ていくしかないのかなぁ?
・岩波の緑の「日本古典文学大系」に、おもな和歌の総索引があったような気がするけど。
・でも、それでは現代短歌は無理でしょ。この前、『現代短歌分類辞典』というのを見つけた。すごく大部のものだけど。
・どっちにしても、基本的な参考図書の使い方はきちんと押さえておかないといけない。
・社会科資料集や地図帳、国語便覧などの副教材は図書館に置いておくと便利だよね。
・OPACは、データがどういう形で入力されているかを知らないと、検索がむずかしい。
・漢字も新字しか入っていないと、書名や著者名どおりに入力してもヒットしなかったり。
・内容細目でヨミを入力してあるかどうかも大きい。
・短編の書名で漢字とひらがなの使い方が違えば、もう出てこないものね。依頼者の記憶が曖昧なことも多いし。
・そもそも、内容細目が入っていないと使えないよ。
・都立もいいけど、横浜市立のOPACがいいらしい。
・「WANTED 甲信」は甲信地域の公共図書館の横断検索ができる。
   http://www11.plala.or.jp/kanamix/opac/kousin.htm
・長野県の高校もコンピュータのデータ入力は比較的統一できているよね。
・データベース委員会のおかげだね。

(報告:M.M)
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#41 『図書館のプロが教える<調べるコツ>』感想
参加できなかったのでここに感想を書きます。
レファレンスに対してずっと苦手意識があります。そもそも中身を知っていて使いこなせるレファレンスブックの種類が少ないせいだろうと思って、レファレンスブックガイドを読んでもちっとも覚えられません(実物を使いもしないで覚えられるわけないのですが)。経験不足が補えるだろうかとレファレンス協同データベースhttp://crd.ndl.go.jp/jp/public/の事例を読んでみても、回答プロセスは事実が箇条書きにしてあるだけのものが多く、すぐ挫折していました。それがこの本では、思考の流れというか、こういう理由でこういう資料をあたって、そこで行き詰まったらこう切り替えて、というのがすごく具体的に、しかもポイントを強調するために演出も加えつつ応用を意識して書かれていて腑に落ちました。行き詰まったとき、「調査の流れと組み立て方」にある6種類の展開を順番に思い浮かべてみるだけでも効果がありそうです。

あと、冒頭のマンガが新鮮だったので生徒に見せたらかなり受けていました。ふだん私がどんなに言葉をつくしても伝わらないものが、これなら伝わるのかも…とヒントをもらったかんじです。

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