4月例会報告 今どきの児童文学と一般文学2 八束澄子

2007年4月21日(土) 13:00~ 参加者  8名

読んだ本の確認
 『わたしの、好きな人』が5人、『リターンマッチ』が3人『海でみつけたこと』『とうさんは忍者』が2人、『おれたちの~』『シンタの~』『ディア・ファーザー』『ミッドナイトステーション』が各1人ずつでした。

児童文学・YA・一般文学の分類
前回にならってそれぞれの本について分類を試みましたが、なかなか割り切れず苦労しました。
 ・飛べゴンザ、とうさんは~、ディア~は小学生対象のようだが内容はそうでもない。
 ・ふぇにっくす丸、リターンマッチの主人公は高校生だが、八束作品にYA向けがどれだけあるといえるか疑問。
・わたしの~の主人公は小学生 でもこれって小学生向け?
・ジャンルや読み手を想定するのではなく、書きたいことを書きたいように書いているという印象が強い。

八束作品の共通点
・父親が頼りない、存在感がない。動物が登場する、猫・犬・鳥など。
・登場人物それぞれの視点が混在しており、目配りが利きすぎている。誰に共感して読めばいいかわからない。
・社会への問題意識(特に労働問題)は強く感じる。
   とうさんは忍者…父親がうつ病 ディア・ファーザー…父親が過労死 
ミッドナイト~…単身赴任 リターンマッチ…若者の落ちこぼれ など。
 ・広島出身で岡山に住んでいた経験からか、広島や岡山を舞台にした物語が多い。が、舞台設定としては、いまいち。匂いがたってこないし、風景描写、言葉遣いは「瀬戸内」といった感じ。
『リターンマッチ』 わりと面白く読めたが、内容と装丁や本の扱いが合っていない。甘い。主人公が簡単に立ち直りすぎる。別メディアで取り上げればもっと輝くのかも。
『わたしの、好きな人』  講談社から一般文学ふうの装丁で出ているが、内容は古い。料理の場面ひとつとってもこなれていない感じ。単純で良かったがオチは激しい。全共闘のニオイがする。自首のシーンはどこかで読んだことがあると感じさせる。
『ディア・ファーザー』  物語というより説明のよう。

児童文学について
・児童文学というジャンル自体が古い。読むに値する児童文学はもはや少ないのではないか?
・児童文学に暗いテーマを持ち込んだのは、戦後の弊害
 松谷みよ子、古田足日、早乙女勝元…戦争からぬけ出せていない
・ 課題図書に問題あり 八束作品はよく課題図書になるけれど、本当に読んだ上で選ばれているのだろうか? そのわりには面白くない。

結論
・八束作品は、ひと昔前の児童文学。あえて読む必然性が感じられない。
・前回の佐藤多佳子さんとは比較にならない。
・八束さんも装丁や出版社に恵まれていない。90年代の装丁はちょっと苦しい。
・外見(ジャンル・装丁・対象年齢)と中身のギャップが激しい。
・作品は児童文学が比較的多いようだが、小学生にも中学生にも高校生にも向かない。かといって大人には物足りない。
 
私は前回出席できなかったのですが、盛り上がった前回に比べると、なんとも後味のよくない読書会だったようで、ちょっぴり残念でした。
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー

第1位炎のゴブレット第2位アズカバンの囚人第3位秘密の部屋第4位賢者の石第5位謎の王子第6位第7位不死鳥の騎士団この不死鳥の騎士団だけ他の作品の質が全然違う。全然J.Kローリングらしくない文体だった。作者はもう一度練り直し、作り直す必要があると思う。とに

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