2007.11月例会報告

三重大会ナイター「図書館からの進路支援」を担当した埼玉支部のMさんをお招きして、研究の経過やナイターの様子をお話いただきました。

1. キャリア教育・進路支援で図書館ができること 

● 埼玉支部進路支援研究経過報告  
 進路支援の特徴・・・学校によって(就職・進学が多いかなど)生徒によって様々。年間計画がはっきりしていて、タイアップする相手(進路係)も決まっているので、組みやすい。
① 進路資料(シリーズもの)比較分析表の作成
 進路のシリーズ(「なるにはBOOKS」など)のそれぞれの特徴を把握するため、例会で分析表を作成した。項目は、対象(動機付け用orなりたい仕事が決まった人向けか等)/サイズ/ビジュアル度/参考文献/学校リスト/就職のノウハウ/適正診断テストの有無など。
② 進路コーナーの見直し→各自が図書館進路コーナーの写真を持ち寄り、参考にし合った。
「なるにはBOOKS」はだいだいあるが、棚の場所や品揃え(小論、面接向けがあるなど)学校によってさまざま。進路によくあるさんぽうのセットを図書館に置いている学校も。
③ 進路指導年間計画に合わせた図書館のアプローチ表の作成→進路の年間活動計画を持ち寄
り、月ごとに図書館でできる支援を分析した。(あわせてこの時期どういう生徒がくるか/その頃多い進路のレファレンス/生徒の心理状態や教職員の心のゆとりなどもチェック)
 3年生へのアプローチ
【4月】年度当初3年生は「進路の年」と自覚を促す時期なので、進路コーナーのPRが必要。
【5月】進路説明会が行われる。→何かかかわれることは?
【6月】三者面談が始まり、早い生徒は自覚が芽生える。→一番早い子に対応すると、生徒同士で広まっていくので重要。進路のシリーズを展示しておくなど。
【7~8月】求人票受付開始→業界研究本+時刻表や地図なども動く。「図書館は一人一人の進路にあわせてサービスできること」を事前に伝えておくことが大事。
【2学期~】生徒の活動開始→小論、面接対策。医療福祉系レファレンス増える。面接用おすすめ本のリストアップや、面接で聞かれる質問事項の展示などもできるのでは。
 1~2年生へのアプローチ 最近は進路係がキャリアガイダンス教育に力を入れている。3年生へのアプローチを基本にしつつ、付随して1・2年生にも興味を持ってもらえるとよい。

● まとめ
進路支援はアプローチのタイミングが重要。各校で計画表をきちんとみていくことが必要。進路は誰でも通る道。全員違う道に進む。進路支援で「あなたに必要なサービスを図書館は提供します!」ということを知ってもらうことで、「調べ物の場」という機能を伝えることもできる。

● 質問、情報交換など
○ キャリアガイダンス教育とは?→例えば前任の総合学科校では「産業社会と人間」という授業で、将来の自分を考える、職業体験、仕事の中身を調べなどしていた。(業界本がない分野のものは、ナツメ社の「図解雑学」、柴田書店の食品関係の雑誌などを提供したことも)
○ 7月は進路向けガイダンスのタイミングが難しい。埼玉の文化祭は何月か?→9月が多い。
○ 「なるにはBOOKS」はならなそうな職業もあるがたまにレファレンスに使えることも。
○ なりたい職業になれない現実があり、図書館はどうかかわるのか?悩む/以前周りに就職を反対されている生徒に資料提供した。保護者、担任でない立場から話ができる意味も・・・。
○ 中学では、ニートを作らないという方針で、今から特定の職種に絞ってしまわないようにしている。(体験先は職員が決定。進路調べはなりたい職業の周辺でさらに範囲を広げる等)
○ 地元の企業のパンフレットなどを図書館においておくことも大事では。
○ 進路支援を研究しはじめて行ったことは?→進路係の仲のよい先生と情報交換を密にすることで、進路の動きに敏感に対応できるようになった。
○ 3年生全員に向けてやっていることは?→個々にサービスすることを前提として動いているので、コーナー作りや資料作りなどに力を入れている。全体に話を一回でしようと思っても、伝わらない可能性が高い。「ふらっと立ち寄った生徒にどれだけの資料が手渡せるか」
○ 7月に書くことをメインにした進路ガイダンスを行っても、面接しかない生徒には自分のことだと思ってもらえないが。→やるなら「身近な事例を調べておこう」の部分をもっと広げたらよいのでは。(面接できかれる事項、こうきかれたら何と答えるかをあげるなど)

寒くなってきた長野でしたが、講師を囲み、あたたかく和やかな雰囲気の例会(→その後お茶会)となりました。頭が飽和状態になりつつも、Mさんの何気ないひとことひとことから垣間見える真摯な前向きさから、最近行き詰っていた自校の進路支援や授業支援へのヒントをたくさんもらうことができました。進路支援もふくめすべての図書館活動は、生徒・職員の現実をよ~く見極め、それを素直に受けとめ、決して投げてしまわず(現状にないものねだりをして嘆かず)、どこか少しでもつながるポイントを根気強~く探っていくことから始まるのだなあと実感した例会でした。

2. 図書館サービスチャンスシート~校内図編~
● 各校の校内図チェック報告 それぞれ掲示板、生徒の動線などをチェックした校内図を持ち寄り、報告しました。特に図書館が生徒の動線から離れている学校ほど、掲示板、返却ボックス、図書館への道案内、HR棟への出前図書館など、それぞれ工夫していて勉強になりました。「今回やってみて新たに使えそうな掲示板を発見した」という報告もあり、異動して手軽にできることとして「生徒の動線を考える」「校内を回る」など図書館サービスのチャンス開拓の手始めにはよいのでは?と感じました。掲示板の管理者も要チェックです。
● 分科会の持ち方
○ 「校内図、館内図、行事予定表などいくつかのテーマを振り分けて分散会を持つ」+「実際にここを見直したら、こう変わったという報告」の二つに分けて行ったらどうか。
○ 各自持ち寄る資料を学校要覧にして、テーマも「学校要覧で分かる図書館サービスチャンス発見シート」にしてもよいのでは?
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